年収だけで家を建てる基準を決めてはいけない3つの理由。

こんにちは。

住宅営業をしていると「年収400万円なのですが、家を建てれますか?」という質問を受けます。

ほとんどの住宅営業マンは電卓をはじいて「それでしたら、3800万円くらいは借りられますよ。」などと言うことが多いです。

住宅ローンは返済比率という、「年収に対してローンの返済を何%まで返済に充ていいか」を銀行が決めています。

それを計算して住宅営業マンは答えてるんですね。

それに対して、私はいつもこう答えます。

「建ててもいいかもしれないし、建てないほうがいいかもしれないです。」

なぜなら、その家族によって暮らし方が違うからです。

年収だけで家を建てる基準を決めてはいけない理由を今回は解説していきます。

今回の記事で分かること

・年収だけで「家を建てる」判断はできない。

・人によって生活レベルが違うこと

・将来的にかかる費用を考えていないと失敗すること

シバケン
シバケン

確かに、年収というのは家を建てることができるかどうかの一つの基準。

でも、年収だけで判断すると、今後の生活レベルが急激に変わってしまったり、最悪、生活していけなくなり、家を手放すことにもなりかねません。

目次

・住宅ローンがいくら借りれるかの返済比率について知ろう。

・年収だけで家を建てる基準を決めてはいけない2つの理由。

①人によって、生活レベルが違うこと。

②今後、必ず必要になる出費を計算していないことが多い。

③今後、起こりうることを考えていないことが多い。

・まとめ

住宅ローンがいくら借りれるかの返済比率について知ろう。

今回、少し難しい話から始まりますが、できるだけわかりやすく解説します。

これを知っておくと、自分がどのくらい住宅ローンを借入できるかを気軽に計算できるので本当に便利です。

いちいち、住宅営業マンに聞かなくてもいいですしね。

まず、ローン計算アプリなんかを無料のものでいいのでダウンロードすることは必須です。

ちなみに、これは家造りをする上で必須のツールです。

最近のローン計算アプリはすごく性能がいいので、いくら借りたら月々いくら位になるのか、ボーナスを入れたらいくらくらいになるのかなども計算でき非常に便利。

簡単な操作で、10秒で計算できてしまうので、ほとんどの住宅営業マンもアプリで計算しているのではないでしょうか。

ダウンロードしたら、いよいよ計算をしてみましょう。

まずは、公式をお伝えします。

ここは普通の電卓で計算してみましょう。

公式

年収×返済比率÷12−月々の他のローン=住宅ローンの月々の返済額のMAXの金額

いやいや、ちょっと待って。

返済比率とかいう、良く分からない用語がいきなり出てきたんだけど…。

大丈夫です。

要は、年収のうち何%をローンの返済に充てていいのかの割合です。

これは、銀行ごとによって設定が違うので、銀行に連絡すれば教えてくれると思います。

ちなみに、フラット35で言うと、年収400万円以上は35%、年収400万円以下は30%です。

40%に設定されている銀行もあります。

では、計算してみましょう。

今回はフラット35で計算してみます。

Aパターン 年収420万円、その他ローンが無い場合

年収420万円×返済比率35%÷12−その他の月々のローン0円=住宅ローンの月々の返済額のMAXの金額122,500円

この場合、122,500円まで住宅ローンの返済に充てていいという金額になります。

次に、住宅ローンの他に、車のローンとかリボ払いとかがあった場合を計算してみましょう。

B パターン 年収420万円、その他のローンを月5万円払っている場合

年収420×返済比率35%÷12−その他の月々のローン50,000円=住宅ローンの月々の返済額のMAXの金額72,500円

この場合、72,500円まで住宅ローンの返済に充てていいという金額になります。

そして、ここからローン計算アプリの登場です。

大体のアプリは借入額、内ボーナス返済分、借入期間、金利という項目があります。

今回、内ボーナス分という項目は0円で使用します。

借入期間はとりあえず35年にしてみましょう。

ここの年数が短くなると借入可能額も下がっていきます。

次に金利です。

ここは銀行ごとに違うので要チェックです。

「審査金利」という金利があります。

よくネットの広告とかで0.6%で借入可能!とか書いてありますが、これは「適用金利」になります。

実際に借りるときの金利ですね。

「審査金利」とは、いくらローンが借りれるかの審査をするときの金利です。

大体3%〜4%位に設定している銀行が多い気がします。

適用金利より審査金利の方が高いんですね。

これは、いつかローンの金利が上がっても返済を続けていけるかを、銀行側が判断する為ですね。

フラット35の場合は、審査金利は適用金利になります。

今回はテスト的に計算するのが目的なので、1.5%と入れてみましょう。

ここの正確な審査金利は、銀行に電話して聞いてみてください。

次に、借入額を入力します。

まずは、仮に3800万円と入力します。

すると、月々の返済額が自動で出てきます。

月々116,350円と出ています。

先ほどの公式で計算したAパターンのその他のローンが無い場合、住宅ローンの月々の返済額のMAXの金額が122,500円でしたから、3800万円は問題なく借りれることになります。

Bパターンは住宅ローンの月々の返済額のMAXの金額が72,500円でしたから3800万円の借入はできないことになります。

では、借入額のところを4000万円と入力してみます。

すると、月々122,473円と出ますので、Aパターンの場合はほぼジャスト。大体、4000万円は借り入れることができそうですね。

このように、借入金額を仮に入力していって、月々の返済額のMAXの金額に近しい借入金額はいくらなのかを探ってみてください。

ちなみにパターンBの場合は2,360万円くらいが借入可能額になります。

他のローンが有るか無いかで借入可能額はこれだけ差が出るんですね。

これで自分がどのくらい借入できるかが分かりましたね。

年収だけで家を建てる基準を決めてはいけない3つの理由。

前置きが長くなりましたが、ここからが本題。

あくまでもこれは、銀行の審査上、年収だけを見て借入がどのくらいできるかを計算するものになるので、実際、本当にこの額を借りていいか、家を建てていいかは別問題です。

これから「年収だけで家を建てる基準を決めてはいけない3つの理由」を解説するので、それを踏まえて自分の借入金額はいくら位にするのかを考えてみてください。

①人によって、生活レベルが違うこと。

年収だけ見れば、年収400万円の人と年収800万円の人がいたとします。

どっちがゆとりがありそうですかと聞かれれば、ほぼほぼ回答者の全員が年収が800万円の人と言うでしょう。

でも、人それぞれ生活の水準は違います。

年収400万円の人は、倹約家でもあり月々10万円ずつ貯金ができている家庭。年収800万円の人は浪費家であればあるだけ使ってしまい、貯金ができていないとしたらどうでしょう?

どっちがゆとりがあるのでしょうか?

年収だけでは、その家庭がどれだけゆとりがあるかどうかは判断できません。

例えば、年収400万円の人は、今の賃貸の家賃に+5万円しても、貯金ができるくらいの余裕があります。

一方、年収800万円の人は、今の賃貸の家賃を1円でも超えると、月々マイナスの生活になり、生活水準が下がることになります。

しかも、固定資産税や修繕費なども考えていないので、家計が崩壊する可能性も…。

年収が上がれば上がるほど、生活の質も上げてしまう人は多いです。

明日から節約しよう!と言っても、いきなり生活の質を落とすことはできません。

なので、こういう場合は月々のローンの支払額を、今の家賃の−2万円くらいで提案したり、保険料や携帯代など固定費の見直しを勧めます。それで固定資産税や修繕費、月々の貯金にまわすことができるようにした方が生活の負担は減るでしょう。

ほとんどの住宅営業マンは、年収を見て借入額を計算し、家を建てましょう!と言ってきます。

注意が必要ですね。

②今後、必ず必要になる出費を計算していないことが多い。

今、5年乗っている車があるとします。

おそらく、あと5年くらいで買い替えが必要になりますね。

子供が小学校4年生。高校受験を考えると中学生から塾に通わせようと思う。

あと3年後から塾代が必要になりますね。

このように、その家族ごとによって今後必ず必要になるお金があります。

今はかかっていないかもしれないけれど、今後必ずかかる費用。

これを最低限、加味した金額で住宅ローンの返済をするべきです。

一度、家族会議を開き書き出してみるといいと思います。

そのず必要な固定費が発生する時期になっても、問題なく支払いができるかを計算するようにしたいですね。

ここで注意することは支出面だけでなく収入面も加味することです。

年収がプラスになっていく事だったり、投資信託の利回り、親からの相続なんかも加味していいと思います。

その上で、家計が破綻しない、無理のない支払い計画を考えましょう。

③今後、起こりうることを考えていないことが多い。

これも書き出してみましょう。

例えば、子供がもう一人増えるということ。

産休の期間、収入が減ってしまうこと。

学費や食費など育てていく上で必要な費用が増えること。

他にも、親の介護をしなければならないなど。

この場合も仕事を正社員でなく時短で勤務する必要があるとか介護サービスを受ける費用がかかるなど、家計に影響します。

その他にも、勤務している会社が今後どうなるかなど、色々と想定してみるといいと思います。

全てが本当に起こることではないかもしれませんが、大事なのは、無理をしすぎない資金計画で少しずつでも貯蓄や投資を行い、万が一、何かあったときに乗り越えれるかです。

まとめ

今回は、少し長くなってしまいましたが、大切なお金の分野のお話でした。

年収だけをみて住宅を建てていいかの判断は絶対にやめてください。

住宅の営業をされると、もっとたくさん借りて、夢のマイホームを充実させていいのではないか?となるのですが、住宅営業マンは「生活の質」を考慮していないこともあるので注意が必要です。

自分や家族の身は自分で守らなければならないですから、「勢いでイチかバチか建ててやろう!」という風に考えるのではなく、最低でも今日紹介した3つは考えてみてください。

いいマイホーム計画ができるように今後も応援しています!

まとめ

・人によって「生活の質」は違う。

・今後、必ず発生する固定費、発生する可能性がある費用を加味して、住宅ローンを組む。

・自分や家族の身は自分で守る。勢いに任せない。

・年収だけをみて家を建てていいかの判断は絶対にやめる。

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